COLUMN

解体コラム

  • #建物解体工事

2025.05

26

これからの解体業:SDGsと解体工事の未来

こんにちは!霧島・姶良・鹿児島全域・都城の解体工事業者、解体専門店のコラム担当です。

あなたは、解体工事と聞くと、どのようなイメージを思い浮かべますか? 騒音、粉じん、そして大量の廃棄物でしょうか? もしそうなら、これからの解体業が、SDGs(持続可能な開発目標)の理念と最先端技術によって、そのイメージを大きく塗り替えようとしていることを知ってください。

このコラムでは、SDGsが解体業界に求める変革の必然性、そして具体的にどのような技術や取り組みがその未来を切り拓いているのかを掘り下げていきます。解体業が単なる「破壊」から「創造」へと進化する、その最前線にご案内しましょう。


1.迫りくる課題とSDGsの必然性:解体業界の責任

高度経済成長期以降に建てられた多くの建物は寿命を迎え、解体需要が高まる日本。しかし、その裏側では、以下のような課題が山積しています。

大量の産業廃棄物排出

年間約3億7,600万トン(※令和3年度)に及び、最終処分場のひっ迫や不法投棄の原因となります。これは、SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」、目標15「陸の豊かさも守ろう」に深く関連します。

騒音・振動・粉じん

周辺住民の生活環境への悪影響や健康被害を引き起こす可能性があります。SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標11「住み続けられるまちづくりを」への配慮が求められます。

貴重な資源の未活用

 解体材には再利用可能な資源が多く含まれているにもかかわらず、十分な活用がされていません。これはSDGs目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」、目標12「つくる責任 つかう責任」に関わる課題です。

労働者の安全衛生

解体現場は危険を伴う作業が多く、労働災害の防止が重要な課題です。SDGs目標8「働きがいも経済成長も」の達成に向けた取り組みが必要です。

もはや、従来の「壊して終わり」の解体は許されません。地球の未来、そして私たちの社会の持続可能性のために、解体業界はSDGsを真摯に受け止め、変革を加速させる必要があるのです。


2.変化の始まり:SDGsに取り組む解体現場の最新事例

では、具体的に解体現場ではどのような変革が起きているのでしょうか。SDGsの達成に貢献する、先進的な取り組みをご紹介します。

資源循環型解体:眠れる価値を未来へ繋ぐ

これからの解体は、眠れる資源を最大限に活用する時代へとシフトします。

高度な分別解体とリサイクル技術

建物の構造を熟知した専門家による事前の詳細調査に基づき、鉄、コンクリート、木材、ガラス、プラスチックなど、様々な素材を高度な技術で分別解体します。これにより、それぞれの素材に適したリサイクルルートに乗せ、再資源化率を飛躍的に向上させています。近年では、AIを活用した解体部材の自動認識・分別技術なども開発され、リサイクルの効率化に貢献しています。

リユースという新たな選択肢

まだ使用可能な建具や設備などを丁寧に回収し、中古建材市場を通じて新たな価値を提供します。これは、廃棄物削減だけでなく、歴史や記憶を継承するという文化的側面も持ち合わせています。解体前の住宅から高品質な部材を回収し、再利用を促進するネットワークも各地で構築されています。

アップサイクルの可能性

 単なる再利用に留まらず、廃材に新たなデザインやアイデアを付加価値として与え、創造的な製品へと生まれ変わらせるアップサイクルの動きも活発化しています。解体された古木の味わいを活かした家具や、コンクリート廃材を再利用したアート作品などが生まれています。

環境負荷低減への挑戦:技術革新が静かでクリーンな解体を実現

解体工事につきものだった騒音、振動、粉じんも、最新技術によって劇的に改善されつつあります。

低騒音・低振動型解体機の進化

電動化技術や油圧制御技術の進化により、従来の重機に比べて格段に騒音や振動を抑えた解体機が登場しています。周辺住民への影響を最小限に抑えながら工事を進めることが可能になります。

スマートな粉塵対策

AIを活用した気象予測システムと連動し、最適なタイミングと水量で散水を行うことで、効率的かつ効果的な粉じん抑制を実現します。また、密閉型の解体工法や、高性能な集塵装置の導入も進んでいます。

ICTによる施工管理の最適化

ドローンによる3D測量やBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用により、解体計画の精度が向上し、無駄な作業を削減します。これにより、工期短縮、コスト削減、そして環境負荷の低減につながります。

人と未来を繋ぐ:安全で働きがいのある解体現場へ

SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」の実現に向けて、解体現場の安全性向上労働環境の改善も重要な課題です。

ロボティクスと自動化の導入

危険な高所作業や重量物の運搬などをロボットが代替することで、労働災害のリスクを大幅に低減します。遠隔操作で安全かつ効率的に作業を行うロボット技術も実用化されています。

身につけるデバイスで安全管理

働く人が身につけることができるウェアラブルデバイスを使って、体調(心拍数など)をリアルタイムでチェックし、熱中症や転倒などの危険をいち早く察知するシステムも導入されています。

スキルアップと多様な人材の育成

VR技術を活用した安全教育や、専門性の高い資格取得支援を通じて、次世代の解体プロフェッショナルを育成します。女性や若者が活躍できる、多様性のある働きがいのある職場づくりが進んでいます。


3.未来への提言:持続可能な社会の実現に向けて

解体業が真に持続可能な産業となるためには、さらなる進化と社会全体の意識改革が必要です。

国や行政からのサポートと技術開発への投資

国や地方自治体が、資源を循環させる社会を作るためのルール作りをしたり、環境への負担を減らす技術やリサイクル技術の研究開発にもっと投資することが大切です。

サプライチェーン全体での連携

 解体業者だけでなく、設計者、建設業者、リサイクル業者、そして最終消費者までが連携し、資源循環の輪を広げる必要があります。

教育と啓発による意識向上

SDGsの理念や持続可能な解体の重要性を、広く社会に知ってもらうための教育や情報発信が、未来の行動を変えるきっかけになります。

解体工事は、単なる破壊ではなく、新たな価値創造の始まりです。SDGsを羅針盤に環境と調和し、技術革新を追求することで、解体業界は持続可能な社会の実現に大きく貢献できるはずです。私たちは、過去の遺産を未来への希望に変える、その最前線に立っているのです。


まとめ

これからの解体業は、SDGsの理念と革新的な技術によって、資源循環型社会の実現に貢献する重要な役割を担います。廃棄物の削減と資源の有効活用、環境負荷の低減、そして安全で働きがいのある労働環境の整備。これらの変革は、解体業を単なる「破壊」から「創造」へと進化させます。未来の都市開発において、解体業は持続可能な社会を築くための不可欠な要素となるでしょう。

解体工事に関する疑問や不安をお持ちでしたら、国分ハウジンググループ 解体専門店までお気軽にご相談ください。

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