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2025.05

28

解体工事とアスベスト調査:知っておきたい義務と費用

こんにちは!霧島・姶良・鹿児島全域・都城の解体工事業者、解体専門店のコラム担当です。

「そろそろ古くなった建物を解体したいな…」そうお考えの皆様、解体工事には様々な手続きや、時に予期せぬ費用が発生する可能性があることをご存じでしょうか。特に近年、アスベスト(石綿)に関する規制が強化されており、解体工事を行う上でその事前調査は避けて通れない義務となっています。

このコラムでは、解体工事を安全かつスムーズに進めるために不可欠なアスベスト調査の義務と、それに伴う費用について、分かりやすく解説していきます。

なぜアスベスト調査が義務なの?

アスベストは、かつて建材として広く使用されていましたが、その繊維を吸い込むと肺がんや中皮腫といった重篤な健康被害を引き起こすことが明らかになりました。そのため、現在では原則としてその使用は禁止されています。

しかし、古い建物にはまだアスベストが含まれている可能性があり、解体工事の際に飛散すると、作業員だけでなく近隣住民の健康にも影響を及ぼす恐れがあります。

このような危険を防ぐため、国は「大気汚染防止法」や「石綿障害予防規則」などの法令に基づき、特定の建物の解体・改修工事を行う前に、アスベスト含有建材の有無を調査することを義務付けているのです。

どんな建物が調査義務の対象になるの?

原則として、2006年9月1日よりも前に建築された建物の解体・改修工事を行う場合は、アスベスト調査が義務付けられています。これは、2006年9月1日にアスベスト含有建材の製造・使用が原則禁止されたためです。

ただし、延べ床面積が80平方メートル以下の戸建て住宅については、2020年まではアスベスト調査の義務はありませんでした。しかし、2020年4月1日からは、すべての建築物の解体・改修工事においてアスベスト調査が義務化されています。これまで対象外だった小規模な木造住宅の解体においても、アスベスト調査が必須となりました。

もしご自身の建物がいつ建てられたか不明な場合は、建築確認申請書や登記簿謄本などで確認できます。

アスベスト調査って具体的に何をするの?

アスベスト調査は、主に以下の2つのステップで行われます。

1.書面調査(設計図書等による調査)

建物の設計図や修繕履歴などの資料を確認し、アスベスト使用の可能性がある建材が使われているかを推測します。この段階で、ある程度の予測を立てることが可能です。

2.現地調査(目視調査・サンプリング調査・分析)

専門の調査員が実際に建物を訪れ、目視でアスベスト含有の可能性がある建材を特定します。特定された建材については、ごく少量(サンプリング)を採取し、専門機関で詳細な成分分析を行います。これにより、アスベストの有無や種類、含有量などを正確に把握することができます。

調査は専門知識を要するため、「建築物石綿含有建材調査者」という国家資格を持つ専門家が行う必要があります。

アスベスト調査にかかる費用は?

アスベスト調査の費用は、建物の規模や構造、アスベストが含まれている可能性のある建材の種類や量、調査範囲などによって大きく変動します。

一般的な目安としては、以下のようになります。

  • 書面調査・目視調査のみの場合: 数万円〜10万円程度
  • サンプリング調査・分析を含む場合: 10万円〜30万円程度

ただし、これはあくまで目安であり、アスベスト含有建材の疑いが強い箇所が多数ある場合や、調査が困難な場所にある場合などは、さらに費用が膨らむ可能性があります。

アスベストが発見されたらどうなるの?追加費用は?

アスベスト調査の結果、アスベスト含有建材が発見された場合、その除去作業は、専門の業者によって厳重な管理のもと行われます。アスベストの飛散を最小限に抑えるための特殊な工法や設備が必要となるため、通常の解体費用に加えて、アスベスト除去費用が別途発生します。

アスベスト除去費用の目安は、アスベストの種類(レベル1・2・3)や使用されている場所、量によって大きく異なります。

  • レベル1(飛散性が高い:例、吹き付けアスベスト)

平米あたり数万円〜数十万円以上

  • レベル2(飛散性が比較的高い:例、アスベスト含有断熱材)

平米あたり数千円〜数万円

  • レベル3(飛散性が低い:例、アスベスト含有成形板)

平米あたり数千円程度

これらの費用は高額になることが多く、解体費用の総額に大きな影響を与えます。事前の調査と、アスベストが発見された場合の対応策や費用についても、解体業者と十分に話し合い、見積もりを依頼することが重要です。

費用を抑えるためのポイントと補助金・助成金

アスベスト調査・除去費用は高額になりがちですが、費用を抑えるためのポイントや、活用できる制度もあります。

複数の業者から見積もりを取る

複数の解体業者やアスベスト専門業者から見積もりを取り、費用や工法、実績などを比較検討することで、適正な価格で信頼できる業者を選ぶことができます。

自治体の補助金・助成金を活用する

地方自治体によっては、アスベスト調査や除去に対して補助金や助成金制度を設けている場合があります。お住まいの自治体のホームページなどで確認し、利用できる制度がないか調べてみましょう。

専門家への相談

アスベストに関する規制や費用は複雑なため、信頼できる専門家(建築士、解体業者、アスベスト調査会社など)に早めに相談することをおすすめします。

まとめ:安全な解体工事のために

解体工事は単に建物を壊すだけでなく、周囲の環境や人々の健康に配慮した慎重な計画と実行が求められます。特にアスベスト調査は、その第一歩として非常に重要な義務であり、適切に行わないと法令違反となるだけでなく、大きな健康リスクを招くことになります。

古くなった建物の解体をご検討されている方は、まずアスベスト調査の義務と費用について理解を深め、信頼できる専門家と相談しながら、安全で適正な解体工事を進めてください。

解体工事に関する疑問や不安をお持ちでしたら、国分ハウジンググループ 解体専門店までお気軽にご相談ください。

専門知識を持ったスタッフが丁寧にご説明させていただきます。

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