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解体コラム

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  • #建物解体工事

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2025.05

16

解体契約の重要点:トラブル回避チェックリスト

解体工事は、人生において数少ない経験となるため、契約内容への不安を感じる方も少なくありません。しかし、しっかりとした知識と準備があれば、トラブルを未然に防ぎ、安心して工事を進めることができます。

今回は、解体工事の契約で特に重要なポイントを具体的な事例を交えながら、徹底的に解説します。契約締結前に必ず確認すべきチェックリストとともに、皆様の不安解消をサポートします。

なぜ契約内容の精査が不可欠なのか?【トラブル事例から学ぶ】

曖昧な契約が招くトラブルは後を絶ちません。例えば、以下のような事例があります。

  • 事例1:追加費用の落とし穴
    • 見積もりでは明確にされていなかった地中埋設物の撤去費用が、工事開始後に高額請求された。契約書には「別途協議」としか記載がなく、施主は不当に感じながらも支払わざるを得なかった。
  • 事例2:認識のずれによる工事内容の不満
    • 「更地渡し」の契約だったが、庭石や樹木の撤去が含まれておらず、追加費用が発生。契約書には撤去範囲が曖昧にしか記載されていなかった。
  • 事例3:近隣トラブルへの対応不足
    • 工事中の騒音や振動に対する対策が不十分で、近隣住民からクレームが頻発。契約書には具体的な対策が明記されておらず、業者も対応に消極的だった。

これらの事例からわかるように、契約書は単なる形式的な書類ではなく、施主と業者の間で合意された重要な約束事です。曖昧な点や不明な点を残したまま契約すると、予期せぬトラブルに巻き込まれる可能性が高まります。

徹底チェック!契約書確認の重要ポイント

契約書と見積書を照らし合わせ、以下の項目を詳細に確認しましょう。

1. 契約当事者と工事概要の明確化

  • 契約当事者の情報: 業者名、代表者名、所在地、連絡先が正確に記載されているか確認しましょう。建設業許可証の番号も確認し、信頼できる業者かを見極める判断材料にしましょう。
  • 解体工事の場所と範囲: 解体する建物の所在地、構造、延べ床面積などを正確に記載されていますか。建物本体だけでなく、塀、カーポート、庭石、樹木、浄化槽など、撤去が必要な範囲を詳細な図面などで明確に示してもらいましょう。「一式」という曖昧な表現は避け、具体的な撤去物をリスト化してもらうことが望ましいです。
  • 残置物の取り扱い: 家財道具や車両などの残置物の撤去費用や責任の所在を明確に記載してもらいましょう。

2. 工事期間とスケジュールの具体性

  • 工事期間: 着工予定日と完了予定日は明記されていますか。天候不良などによる工期遅延の際の取り決めも確認しておきましょう。
  • 工程表の確認: 可能であれば、詳細な工程表を添付してもらい、各工程の期間や作業内容を把握しておきましょう。

3. 費用の内訳と支払い条件の精査

  • 見積もりとの整合性: 見積書に記載された総工事金額と、契約書の金額が一致しているか確認します。解体工事費、廃棄物処理費、整地費などの内訳も詳細に記載されているか確認しましょう。
  • 支払い条件: 着手金、中間金、完了金の支払い時期と金額を明確に記載されていますか。支払い割合が適切かどうかも検討しましょう。
  • 追加費用の取り決め: 地中埋設物やアスベストなどが発見された場合の追加費用に関する取り決めを明確にしておきましょう。どのような場合に、どのような算出方法で追加費用が発生するのかを具体的に記載してもらうことが重要です。「別途協議」といった曖昧な表現は避けるべきです。

4. 注意事項と保証内容の確認

  • 有害物質の調査・処理: アスベストやPCBなどの有害物質の調査・処理に関する費用、方法、責任の所在を明確に記載しているかチェックします。専門業者による調査報告書の提出を求めることも検討しましょう。
  • 地中埋設物の取り扱い: 地中埋設物の撤去費用や責任の所在、撤去方法について具体的に取り決めましょう。試掘調査を行う場合の費用負担についても確認が必要です。
  • 近隣対策: 騒音、振動、粉塵対策、車両の搬入経路など、近隣住民への配慮に関する具体的な対策を明記してもらいましょう。
  • 損害賠償責任保険: 業者が損害賠償責任保険に加入しているか確認し、保険会社名や保険金額を記載してもらいましょう。万が一の事故に備えるための重要なポイントです。
  • 工事後の保証: 工事完了後の地盤沈下や不具合などに対する保証期間や内容を確認しましょう。

5. 契約解除に関する条項の確認

  • 契約解除の条件: 施主側、業者側双方の契約解除の条件や手続き、違約金について明確に記載されているか確認しましょう。

6. その他の重要事項

  • 見積書、図面、工程表などの添付: 契約内容を補完する書類は必ず添付してもらいましょう。
  • 特約事項: 特約事項がある場合は、その内容を十分に理解し、納得した上で契約しましょう。不利な条項がないか慎重に確認する必要があります。
  • 疑義応答: 不明な点や疑問点は必ず質問し、納得がいくまで説明を受けましょう。口頭での説明だけでなく、重要な点は書面に残してもらうようにしましょう。

信頼できる業者選びのポイント

契約内容の確認と並んで重要なのが、信頼できる解体業者を選ぶことです。以下の点を参考に業者選びを行いましょう。

  • 複数の業者から見積もりを取る: 少なくとも2~3社から見積もりを取り、費用だけでなく、提案内容や担当者の対応などを比較検討しましょう。
  • 実績と評判を確認する: 業者のホームページや口コミサイトなどで、過去の施工実績や評判を確認しましょう。
  • 直接面談で担当者の人柄や説明能力を見極める: 疑問点や不安な点を丁寧に説明してくれるか、誠実な対応をしてくれるかなど、担当者の人柄も重要な判断材料です。
  • 建設業許可の有無を確認する: 一定規模以上の解体工事には建設業許可が必要です。許可を受けているか確認しましょう。

契約締結後の注意点

契約締結後も、以下の点に注意して工事の進捗を見守りましょう。

  • 近隣挨拶: 工事開始前に、業者と一緒に近隣住民へ挨拶回りを行い、工事への理解と協力を求めましょう。
  • 工事中の確認: 工程表に基づき、工事が計画通りに進んでいるか、契約内容と相違がないかなどを適宜確認しましょう。気になる点があれば、遠慮せずに業者に確認しましょう。
  • 完了検査: 工事完了後には、契約内容通りに解体されているか、整地はきちんと行われているかなどを業者と一緒に確認しましょう。

まとめ

解体工事の契約は、多くの専門用語や複雑な条項が含まれているため、難しく感じるかもしれません。しかし、このコラムで解説したポイントとチェックリストを活用し、一つひとつの項目を丁寧に確認することで、安心して工事を進めるための基盤を築くことができます。焦らず、疑問点を解消し、信頼できる解体業者との間で、納得のいく契約を結んでください。皆様の解体工事が円滑に進むことを心より応援しています。

解体工事に関する疑問や不安をお持ちでしたら、国分ハウジンググループ 解体専門店までお気軽にご相談ください。

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